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モバイルガジェットに欠かせない「リチウムイオン電池」は火の用心?!

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リチウムイオン電池は多くの製品のバッテリー(蓄電池)として、わたしたちの身の回りで使用されています。
リチウムイオン電池の誕生はわたしたちの生活を大きく変貌させ、2019年には開発者・研究者はノーベル化学賞を受賞しました。
しかし、毎月のようにリチウムイオン電池が原因とされる火災事故なども報告されています。
この記事では、リチウムイオン電池の特徴やメリット、使用時の注意点などを解説します。
リチウムイオン電池を安全に使うために、ぜひ参考にしてください。

リチウムイオン電池ってどんなもの?

リチウムイオン電池とはリチウムという元素が使われている電池で、充電ができて何度も使える二次電池(蓄電池・バッテリー)と呼ばれているものです。
リチウム電池は充電ができない使い切りタイプの電池で、一次電池に分類されます。
わたしたちの身の回りにある乾電池やボタン電池は一次電池が多く、自動車に積まれているバッテリーはほとんどが鉛蓄電池という充電可能な二次電池です。
電気自動車やハイブリッド自動車では、リチウムイオン電池のバッテリーが使用されはじめています。

リチウムイオン電池の使われ方

リチウムイオン電池は充電式の製品として、わたしたちの生活で幅広く使用されています。

・スマートフォン ・タブレット ・モバイルゲーム機 ・ノートパソコン ・デジタルカメラ ・携帯音楽プレイヤー ・電子たばこ ・モバイルバッテリー ・コードレス電話 ・コードレス掃除機 ・充電式マッサージャー ・充電式アイロン ・電動アシスト自転車 ・電動バイク ・電気自動車 ・家庭用蓄電システム など

リチウムイオン電池は小型家電に多く採用されていて、普段は意識していなくても1番身近な電池といえます。また、家庭用だけでなく産業分野でも、さまざまな場所でリチウムイオン電池が使われています。

・電動カート ・電動フォークリフト ・ロボット ・ドローン ・通信用中継基地局 ・エレベーター ・データセンター ・IoTセンサー ・ウェアラブルデバイス ・人工衛星 ・飛行機 ・潜水艦 ・再生可能エネルギー設備 など

産業分野で使われる二次電池にはリチウムイオン電池以外にも、鉛電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、NAS電池などがあり、それぞれの特徴によって使われる場所が異なります。

リチウムイオン電池のメリットとデメリット

リチウムイオン電池のもつ特長的なメリットをご紹介します。

メリット
  • 小さくて軽く用途範囲が広い
  • 高電圧・高電流に耐える 消費電力の高い機器を動かせる
  • 蓄電量が多い(エネルギー密度が高い) 高出力のまま長時間利用ができる
  • 劣化が少なく繰り返し使用に強い 長期間の利用ができる
  • メモリー効果がない 浅い充電をしても充電容量が変わらない
  • 継ぎ足し充電ができる
  • 自己放電(自然放電)が少ない
  • 放置していても再充電しなくてよい

リチウムイオン電池は寿命が長いので、環境にも優しい電池と言えるでしょう。
また、劣化しにくく自己放電が少ないことから、災害時の予備バッテリーとして注目されています。

一方でリチウムイオン電池は事故が多い事でも知られていて、利用する際のデメリットもまとめておきます。

デメリット
  • 充電を満タンにしたままで使用したり放置する(過充電)と劣化する
  • 充電をゼロにしたままで放置する(過放電)と劣化する
  • 温度変化に弱い
  • 電解液に有機溶媒を使用しているため、他の電池に比べて発火しやすい
  • 振動や衝撃、過充電/過放電で内部劣化すると、ガスが発生して膨張する場合がある
  • 価格が高い

リチウムイオン電池の事故はどうして起きるの?

エネルギー密度が高いために高出力であることが直接の原因です。
一般的な電池は電池内部で水溶液を化学反応させる方式です。
でもリチウムイオン電池の場合、有機溶媒を使った有機電解液を使います。
有機溶媒は可燃性なので取り扱いには十分に注意する必要のある電解液です。
リチウムイオン電池は有機溶媒を利用することで劣化に強くすることが可能となりました。
しかし同時に、リチウムイオン電池が発する高出力により高温になりやすく、事故を起こしやすいというデメリットも抱える事になりました。

そこでリチウムイオン電池には様々な工夫が施されています。
例えば、正極と負極が直接つながらない(ショートしない)仕組みや、過充電/過放電しすぎないようにする安全装置を組み込むなどです。
高い安全性を担保するため、一般的な乾電池などとは比べ物にならない複雑なシステムになっています。
それでも毎月の様に消費者庁に火災などの事故が報告されています
私たちの生活を支えるとても有用な技術ですが、事故につながる注意点を理解し事故を未然に防ぐための努力も必要です。

リチウムイオン電池を使うときの注意点は?

便利なリチウムイオン電池で事故を起こさないために、以下の注意点を守りましょう。

  • 火気厳禁
  • 積み重ね厳禁
  • 常温で使用する
  • 水や雨に濡らさない
  • 直射日光で高温状態にならないように注意
  • 強い衝撃、変形に注意
  • 過充電・過放電をしない(充電50%くらいで放置するのが理想的)

まとめ

この記事ではリチウムイオン電池の特徴やメリット、使用時の注意点を解説しました。
小型で軽量、長時間・長期間使用できるため、わたしたちの生活には欠かせなくなったリチウムイオン電池。
リチウムイオン電池で使われている物質は他の電池に比べて環境負荷が少なく、サスティナブル(持続可能)な社会に向かうための技術として期待されています。
これからの生活環境はますます電化が進むことが予測され、リチウムイオン電池の役割は大きくなる一方でしょう。
わたしたちも重大事故を起こさないよう注意点に配慮しながら、安全に使いましょう。

記者:ろこひた/編集:Akihisa.Y

出典:消費者庁/報道資料2022年度

2022年5月13日発表:リチウム電池内蔵充電器で火災等

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