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「先払い買取で即日現金化」には要注意!

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お金に悩む女性

コロナ禍で生活費が大幅に減少し困っている人をねらう、ヤミ金の新たな手口「先払い買取」サービスをご存じですか?
急増する被害者の中には企業に勤める正社員も多く、被害者が複数のヤミ金サービスを利用し多額の借金を背負ってしまった事例が報告されています。
消費者庁だけでなく、警視庁・金融庁からも注意喚起されているほど被害が拡大していて、私たちにとっても身近な問題だと思います。
この記事ではヤミ金の新たな手口「先払い買取」の仕組みとその危険性を解説します。

まず「先払い買取」を知ろう

なかなか聞きなれない言葉、「先払い買取」。
ヤミ金が始めた新たな手口であるこの「先払い買取」とはいかなるものなのか?

ヤミ金というとすぐに現金を貸してくれる代わりに法外な利息を請求され、払えなければ超が付くコワモテお兄さん達が囲みに来るイメージですが、今はそんな時代ではないようです。
仕組みとしてはとてもシンプルです。

  1. 先払い買取サイトにユーザー登録する
  2. 個人情報(氏名・住所・職業・口座など)を漏れなく登録する
  3. 現金化する買取り商品の写真を送る
  4. 買取査定が出る
  5. 登録した口座に振り込まれる
  6. 送付先や期限が書かれた通知が届く
  7. 期限を過ぎてから違約金込みで指定口座へ振り込む

といった具合になります。
買取の対象となるのは、主にスマートフォン、パソコン、ゲーム機、家電、カメラ、バッグ、家具などで、「即日現金化」「ブラックOK」「審査なしで簡単に現金化」「高値での買取」等とうたい集客しています。

表向きは不用品の買取りを装っていますが、実態は貸金に近いものです。
回収する違約金を込みでみれば違法な金利を課しているケースがほとんどの様です。
単純化した例を挙げれば、買取金額1万に対して違約金が40%と設定されていれば、支払額は14,000円となり、利息は40%という事になります。
これは法定上限金利20%を超えており、貸金業なら違法ですが、取引類型は古物の売買なので、グレーゾーンとなってしまっているのが現状です。

特に危険を感じないんだけど・・・

ここまでで済めば必要悪なサービス程度に感じるかもしれません。
でも、ここからが真骨頂です。違約金を含めた支払いが出来ないと更なる高額請求が課され、「支払えないと会社に報告する」と業者から脅されるなどして、さらにお金を借りてしまう悪循環にはまり込んでいきます。
専用サイトの登録フォームで記入した個人情報も悪用される危険性が高いです。
この段階まで来ると、残念ながらあなたの個人情報はヤミ金のカモリストに口座ごと収載されている事でしょう。

先払い買取を利用するのはどんな人?

財布に金がない

クレジットカードを作ったりローンを組むときには金融機関から個人の支払能力について審査が行われます。
過去の支払い履歴をもとに審査が行われるわけです。
その際、過去の支払いについて延滞・遅滞があったり、債務不履行で法的手続きなどを行った方は審査に通ることが難しくなります。

ところが、先払い買取業者は「利用するときに審査がない」などとアピールし、現金が必要でも審査を通す必要がある金融機関ではお金が借りられない人をターゲットにしています。
また、コロナ禍で収入が大幅に減ったために現金が必要になったけれど、金融機関で借金することに抵抗がある人も「不用品の現金化」「借金ではない」というサイトの文言を信じて利用する傾向があります。

他にもヤミ金が発明した危険なサービスはあるの?

即現金化できる危険なサービスとして注意喚起されているものに、「後払い現金化」や「給与ファクタリング」「年金担保融資」があります。

後払い現金化

まず利用者は業者から商品を後払いで買い、キャッシュバックとして利用者に現金が支払われます。
後日(給料日など)、後払い金額としてキャッシュバックに金利を上乗せしたお金を請求されます。

給与ファクタリング

利用者は給与の入金日前の請求書を給与を請求する権利(債権)を業者に渡し、給与金額から高額な手数料を差し引いた現金と交換します。
後日入金された給与は業者の手に渡ります。
どちらも貸金業の仕組みであり、数年前から被害が急増したことを受けて警視庁・金融庁・消費者庁から注意喚起が行われています。

年金担保融資

年金受給者がもつ、年金受給権を担保に貸し付ける手口です。
令和4年3月で独立行政法人が行っていた「年金担保貸付制度」が終了したので、現在そのように声をかけてくる業者はすべて違法業者です。

どうして借金は膨れ上がるの?

コロナ禍でわたしたちの生活は大きく変化し、給与が安定しているイメージがある企業の正社員であっても金銭的に苦しむ人が増えていて、ヤミ金の被害を拡大させています。
ヤミ金から1度でもお金を得た人は超高金利での返済を求められ、次から次へと借金を増やす構造に入り込んでしまい、簡単には抜け出せなくなります。
先払い買取の被害者が、後払い現金化や給与ファクタリングの利用者だったという事例も多数報告されていて、借金返済の沼に陥った被害者の深刻な状況をあらわしています。

ヤミ金業者への取り締まりは?

貸金業登録を受けずに貸金業をする金融業者は、違法なヤミ金業者として罰則の対象です。

<10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金またはその併科(貸金業法第47条第2号)>

貸金業登録の有無は、金融庁ウェブサイト<登録貸金業者情報検索サービス>から検索できます。
「先払い買取」は多くのまとめサイトやアフィリエイトサイトもどきの誘導サイト(リーチサイト)が存在しているので、写真を送っただけですぐに現金が受け取れる手軽さに目を奪われやすいでしょう。
しかし本当の姿は借金地獄へ引き込む恐ろしいヤミ金業者の新手法です。
絶対に利用しないよう、わたしたちの周辺にいる人々にも注意を呼びかけましょう。

記者:ろこひた/編集:Akihisa.Y

出典:消費者庁/報道資料2021年度

2022年3月23日発表:先払い買取現金化の取引についての注意喚

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